児童虐待防止へ新条例の制定を


日本の教育正常化と美しい日本人の心を育む教育をめざす一般社団法人・全国教育問題協議会(中尾建三理事長)は、子どもたちの健全な教育環境を支援するために文部科学省や自民党に提言してきています。
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今回は深刻化する児童虐待問題と、そのために必要な地上自治体の新条例の制定、それを阻むリベラルな左翼人権家との戦いが課題であることを紹介しています。

虐待から子どもを守れ 地方から着々と制定

深刻な児童虐待を防止する新条例制定が急務

子どもたちを児童虐待などから守るための家庭教育支援条例が全国8県4市で制定され、親の身勝手で凄惨すぎる死亡事案が増え続ける児童虐待や性被害に対して立ち上がる自治体が増えています。

ただ、一部ではリベラルな人権主義者が人権問題を持ち出して「家庭への行政の不当介入」「国家統制」という的外れな反対論で妨害し、遅々として新条例の制定が進まない自治体もあり、子どもの健全な成長発達を支援するための支援として家庭教育支援条例の制定推進が不可欠な状況になっています。

ご理解のある方々は、この実情を理解された上で、地方自治体で新条例の制定に向けた草の根運動を行っていく必要があります。

2006年、第一次安倍政権の時、教育基本法が改正されて以降、社会全体で子育て家庭を自治体ごとに支援して整えていこうという家庭教育支援条例の制定や取り組みが進んできています。

改正された教育基本法には「家庭教育での父母や保護者の第一義的責任」「生活のために必要な生活習慣を身につけさせる」「国および地方公共団体の家庭教育支援施策を講じる努力義務」が盛り込まれました。

改正を受け、全国の各地方自治体では「早寝早起き朝ごはん」運動がスタートし、子どもたちが健全な家庭生活を送るために必要な生活スタイル啓蒙を展開。それが本格化することで子どもたちの成長に好結果をもたらすようになりました。

そのさきがけになったのが、2013年に初めて「家庭教育支援条例」を制定した熊本県です。

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くまモンを旗印に地震被害から見事に復興を遂げて行っている熊本県では、条例制定以前から「くまもと家庭教育10か条」を作成し、2009年には「子ども輝き条例」を制定。

さらには2011年から子どもの成長段階に合わせて親としての学び」、「親になるための学び」プログラムを作成して、家庭教育の大切さを推進してきました。

熊本県の条例制定をモデルケースとして、全国8県4市では同様の条例が制定され、その勢いは広がりつつあります。

個人の権利を過大主張するリベラル人権派

陰湿な虐待から子どもを保護する地域力を

しかし、一方で、この条例制定に対して「国や行政が家庭問題に介入すべきではない」として、条例や支援法の法制化に断固として反対するリベラルな左翼人権主義者たちがいて、その条例制定を阻んでいます。

彼らの主張は、国や地方自治体よりも個人の権利を第一ととらえ、「法は家庭に介入すべきではない」「国や行政が家庭教育に不当介入して特定の価値観を押しつける横暴は許さない」、「親ばかりに教育責任を押しつけている」という的外れな反対論を展開し、深刻化する児童虐待、性的暴行をまったく直視せず、むしろ、黙認して推進したり、肯定するような動きに発展しています。

リベラルな人権主義者たちは、新たに法制化すべき新条例の動きについて「個人の尊重や基本的人権を保障する憲法に抵触する可能性がある」とまで言い切り、憲法改正を徹底して反対する論陣を張っています。
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しかし、2015年7月1日、国連人権理事会では「家庭の役割の保護」を「家族は子女養育と保護の第一義的な責任を有する」とし、国際規約である世界人権宣言や児童の権利条約では「家庭は社会の基礎単位」「家庭に子どもの教育責任がある」と明確に規定されています。

日本では、この流れに従って、教育基本法、児童福祉法が制定され、2009年の児童福祉法改正では、乳児のいる家庭訪問事業など市町村が行う子育て支援の強化、里親制度の拡充など、これまでの「施設養育」から「家庭養育」に重点を置く転換が図られました。

2016年の改正では、すべての子どもの良好な養育環境を保障していく「家庭養育の原則」が明記され、深刻で隠ぺいされやすい児童虐待では、法的にも児童虐待防止法があることで行政が虐待を疑われる家庭に関与しやすい状況に変わってきています。

左翼リベラル人権派の主張は深刻な児童虐待の実情とは相反し、子どもの保護と育成という観点から見ると、行政が家庭の問題に積極関与することが求められています。
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ひとり親の家庭、子育て困難家庭は、なかなか、家庭教育の講座やイベントに参加する余裕がなく、乳幼児検診の未受診なども目立ちます。深刻な児童虐待にエスカレートしていないまでも、不適切な養育状態によって、子どもの健やかな育成が損なわれる実態が根深く拡大しています。

こうした子育て困難な家庭を地域社会が援助し、下支えすることで、家庭の孤立化を防ぎ、虐待、不登校、ひきこもり、家庭内暴力などの問題発生を未然に防ぐ環境作りことになります。

2014年10月に新条例を制定した静岡県では、施行後、家庭教育支援員を養成して、教員経験者やPTA役員経験者、カウンセラーなどを集めて家庭教育支援チームを結成。三年で320人の支援員を育成し、親の学びを支援する活動を展開して好評です。

家庭教育支援の条例を制定した自治体では、条例が施行されたことで職員の意識が変わり、縦割りではなく横の連携が取りやすくなり、学校や地域と密着した連携が進んでいます。

東京都では、目黒区のアパートで3月、船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時5歳=が児童虐待で死亡した事件を念頭に児童虐待防止を目指す都独自の新条例を制定する考えを小池百合子知事が表明しました。

虐待をめぐっては、児童相談所と警察の間で疑いのある事案では全件の情報を共有する流れとなってて、保護者が子どもの確認を拒否するケースや措置を継続しているケースなどリスクの高いものはすべて共有する方向で警視庁と協議しています。
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目黒区の事件では、女児を含む一家が香川県から転居後、児童相談所で資料は引き継がれましたが、事件を未然に防ぐことができませんでした。児童の「お父さん、お母さん ごめんなさい。お願いです殺さないで!」との悲痛な叫びが地方自治体レベルから細かく反映される社会の実現が求められています。
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虐待の疑いで警察から児童相談所に通告されるケースは年々増加。

警察庁が3月に公表した「少年非行、児童虐待および子どもの性被害の状況」によると、昨年一年間で警察から児童相談所に通告された子どもは6万5431人(前年比1万1204人増)。保護される児童も増加傾向にあり、昨年は3838人(全体の6%)でした。

さらに事件で検挙されたのは1176人で5年前の約2倍。10年前の約3倍増となっていて、被害に遭った児童は1168人(前年比60人増)で、そのうち58人が死亡しています。
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通告を受けて一時保護される子どもは一部しかありません。

家庭で支援を受ける多くの子どもに関しては児童相談所の職員数の不足などで支援が行き届かないのが実情で、国や地方自治体の予算のあり方にも致命的な問題点が浮き彫りになってきています。

児童相談所は、児童福祉法に基づいて都道府県と政令市に設置が義務づけられている機関です。

2006年から希望する中核市で、2017年からは東京23区の各区でも設置できるようになり、18歳未満の子どもや家庭に関する相談、調査をするほか、虐待を受けた子どもの一時保護なども担当しています。

政府は2016年に策定した「児童相談所強化プラン」で、児童心理司や保健師なども合わせて、2019年度までに専門職を計1120人程度増やす(15年度比26%増)としていましたが、虐待の急増に対応できていないとの指摘を受け、増員の実施時期を前倒しして2019年度以降も配置数の上乗せを検討しています。

これほどまでに児童虐待が深刻化する背景には、警察の民事介入の原則を逆手にとって、わがままな親が子供を虐待していても、児童相談所のスタッフが阻止するケースは一握りしかないというリベラル人権派の抵抗勢力による厚い壁があるということです。

児童相談所の職員が「保護者との関係構築」を築きながら「保護者の意に反してでも子の安全を守る」という二つの支援を1人で担うことの難しさがあり、前者を優先すると、陰湿かつ凄惨な虐待の抜け道となり、保護すべき児童を保護できない現状があるためです。

とくに児童相談所のスタッフ数が少なすぎること、法律上の問題が大きな壁であり、地方自治体レベルで新たな条例を制定していくことで改善することが喫緊の課題です。

児童虐待を細かいケアから防ぐための国の支出拡大や児童相談所にベテラン職員を増やせるような人事制度の採用、地域で支援する制度づくりを推進する提案もあり、この実行が国や地方自治体に早急に求められています。