小中女子の体力が最高更新 全国体力テスト結果


小中女子の体力が最高更新
ボール投げと握力は低迷 全国体力テスト結果

スポーツ庁は2月13日、小学5年と中学2年を対象にした2017年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)の結果を公表しました。

各種目の結果を点数化して合計した「体力合計点」が、女子は小中とも08年度の調査開始以来最高を更新。

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とくに小5女子は4年連続、中2女子は3年連続で、いずれも実技8種目の合計点の平均値が20年度の調査開始以降で最高を更新。体育の授業を除いた1週間の運動時間を「60分未満」と答えた割合もここ数年で大きく減少し、小5と中2の男子の平均値はおおむね横ばいでした。

調査は17年4~7月、全国の小5と中2のほぼ全員に当たる約208万人を対象に実施。

女子の体力合計点の最高更新は小5が4年連続、中2が3年連続。小5は8種目中4種目、中2は9種目中7種目が過去最高となりました。

一方、握力とボール投げは小中男女とも低い傾向が続いていて、中2男子はいずれも過去最低でした。

今回の調査対象となった中2が小5だった14年度調査との比較も初めて実施。中学進学に伴って運動時間が増加と減少に二極化し、特に女子では減少する生徒の割合が高いことが明らかになりました。

一方で、1週間の運動時間が60分未満の「運動しない」女子の割合は年々減り、二極化は解消傾向にあり、学校の取り組みの成果が広がってきました。

運動習慣が少ない層は女子に多く、各地の学校では、休み時間に全校で外遊びをする活動を自治体と連携して実施したり、生徒会主催でレクリエーション大会を行ったりして、運動時間の確保に努めています。スポーツ庁は「こうした地道な取り組みが女子の結果を底上げし、平均値の上昇にもつながった」と分析。

中2女子が49・80点(同49・41点)。小5男子は54・16点(同53・93点)、中2男子は41・96点(同42・00点)でした。

運動時間を「60分未満」とした割合は、小5男子が6・4%、中2男子が6・5%だったのに対し、小5女子11・6%、中2女子19・4%で、女子が大きく上回りました。ただ、女子はここ数年でこの割合が大きく減少しており、25年度と比べると、小5で9・4ポイント、中2で10・4ポイントそれぞれ改善しています。

種目別の平均値をみると、中2女子は、握力とボール投げの2種目を除きこれまでの記録を更新。小5女子も50メートル走など4種目で過去最高。

昨年度から設けた中学の部活動の休養日に関する質問では、学校の決まりとして休養日を設けていない学校が22・4%から11・2%に減少。都道府県別の体力合計点は、小中男女とも福井が1位、茨城が2位となりました。

青少年の体力は未来の希望ある日本の国力に直結します。平昌五輪が開幕し、2020年に東京五輪開催を控える日本が心身ともに健やかな子どもたちを育てるために今回の結果が役立つことを願います。