「教育に関する勅語Q&A」発刊の意義


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日本の教育正常化と美しい日本人の心を育む教育をめざす一般社団法人・全国教育問題協議会(中尾建三理事長)は戦後教育で大きな問題点を残している学校教育、教科書問題、教育環境の正常化(健全化)を目指し、憲法改正を推進して美しい日本人の姿を体現する教育再生を活動の指針としています。

このたび、全国教育問題協議会は「教育に関する勅語Q&A」を発刊しました。

その発刊経緯と意義について、今回は全国教育問題協議会理事長の中尾建三氏が以下、全教協ニュース11月1日号に綴っていますので紹介します。

「教育に関する勅語Q&A」発刊に寄せて
美しい日本人の心を再生させよう

一般社団法人・全国教育問題協議会 理事長 中尾建三
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■柴山文部科学大臣の発言真意

さる10月2日、第四次安倍内閣が発足し、恒例のマスコミによる就任会見が行われ、記者から教育勅語の認識についての質問がなされました。

柴山文科大臣は教育勅語について「同胞を大事にするなど、基本的な内容についてアレンジして使うことのできる分野はあると思う」と述べました。

すると、野党の幹部から「言語道断である」とか「馬鹿ではないか」「認識違いも甚だしい」と批判の意見が出され、マスコミの多くも同様の論評が目立ちました。

教育勅語は明治憲法下のもとでの天皇が国民に呼びかけた熱い想いであり、国民主権を明示した現憲法のもとで、また社会構造も複雑化した現在で、教育勅語全文そのままを公的に復活するなんて多くの現代人は考えません。

では、なぜ、一部の野党議員はわかっているのに「言語道断」とか「馬鹿」とかの暴言を吐くのか考えて見ましょう。

■米国の占領政策で洗脳された日本人

1945年(昭和20年)、日本を占領した米国はWGIP(戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画)により、実に巧妙な占領政策を実践しました。敗戦国日本を罪深い国として仕立て上げる工作を行ったのです。

大日本帝国憲法の破棄、教育改革、神道否定など、日本人の心に独立心を奪う政策を徹底的に実施しました。戦勝国アメリカが目をつけたのが天皇制をどうするか、日本の教育をいかに大転換させるかでした。天皇は新憲法制定にあたり「日本国民の象徴」としたが、教育界は一変させられました。

明治時代から築き上げられてきた、また、日本人の心の支柱であった教育勅語はアメリカ軍の命令で排除され、人づくりの目標を喪失しました。また、占領軍は日本の教員を「教師は労働者」と高唱する労働組合を結成させ、戦争中の子どもたちを教育していた教員を約11万人解雇したのです。

かつて江藤淳氏が発刊した「閉ざされた言論空間」にある当全教協顧問の高橋史朗氏の「日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと」や全教協顧問の小林正氏著の「日教組というその十字架」に詳しく述べられています。

日本はすべて侵略を目的にして戦争に突入、世界に迷惑をかけました。連合国はすべて正しく、悪いのは日本といった占領軍の心理作戦に洗脳されて米国の占領作戦に協力した日本の政党やいわゆる革新といわれる学者や政治家が輩出したのも事実です。

敗戦後73年たった現在でも教育勅語という言葉自体は絶対悪として捉え、一部分でも評価すると徹底的に反対する政党やグループがあります。この人たちは教育問題ばかりではありません。憲法問題では「九条さえあれば永遠に日本の平和は保たれる」という平和の夢に浸っている方が共通して持っている価値観だと思います。

文科大臣に向かって平気で「馬鹿」と言える感覚こそ「言語同断」ではないでしょうか。

■温故知新、明治維新を見つめ直そう

英国のプラトー研究者のジョベットは「日本は西洋が中世から現代に至るまで五、六百年の歳月を費やしてきたのに数年間で道程をひとっ飛びで越えた国です」と述べていました。1868年(明治元年)、日本は開国し、厳しい世界情勢の中で、独りの力で国を守る以外に生きる道はありませんでした。しかし、私どもの先人は必死で日本の独立を守り、今日の日本を創り上げました。

明治維新から敗戦国となった約80年間、激動の日本を、そして日本人の心を支えてきたのは何でしょうか。それは教育勅語でした。日本人が生きる道を示した徳目を日本人一人ひとりが日本人の道徳観、生きる価値観をしっかり見つめながら国づくり、人づくりをしてきたからではないでしょうか。

来年、平成から新時代に時が流れます。問題山積みの日本を築く心の根っこは何か、真剣に考える時が今ではないでしょうか。

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■美しい日本人の心を国全体で再生させよう

北海道、中国、四国、九州。今年は災害が全国で起こりました。外国では大きな災害が起こると暴動や略奪が起こりがちですが、日本では多発する災害の際には全国から義援金が寄せられ、被災地にはたくさんのボランティアが訪れています。日本人の道徳心、公徳心の高さが海外マスコミから賞賛されています。

私たち全教協は「美しい日本人を育てよう」というスローガンを掲げて活動しています。美はキリスト教の愛、仏教の慈悲、儒教の根本倫理である仁と同様に人に求めるのではなく、与えることに喜びを求める言葉です。

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明治時代から現在の日本人の心の故郷である教育勅語を改めて認識し、現代に合った手順で再生しようではありませんか。子どもたちに送る最高の贈り物になるからです。

このたび、本会顧問である日本教育史研究の権威者の杉原誠四郎氏の監修をたまわり、「教育に関する勅語Q&A」を発刊します。どうぞ、ご一読いただければ光栄です。

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今年は明治維新から150年目の節目の年です。

当時の日本は、政治、経済、外交、防衛、教育といった国の基盤はすべて大転換を余儀なくされる国難に直面しました。

とくに長年築き上げてきた日本人の美しい心、日本人の暮らし方が欧米化することを心配された明治天皇は、井上馨、山県有朋ら国のリーダーと自ら相談され、明治23年(1890年)に配布したのが教育に関する勅語でした。

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昭和23年(1948年)、日本に勝利した米国GHQは当時、占領下で無力化していた国会を管轄していた民政局の口頭命令によって教育に関する勅語を破棄されたのです。

その結果、明治時代から日本人の心の支柱、日本人の生き方の指標が消失し、日本人の価値観は混乱し、美しい日本人の心を育んできた道徳心の低下を招きました。

一部の政治家、市民グループは「教育勅語は日本を戦争に導いた天皇主権の象徴だ」と日本人でありながら妙に目くじらを立てて排斥しています。

政治倫理と宗教倫理と崇高な教育倫理は、それぞれ別の倫理です。

同じにしたら国は持ちません。異なるにもかかわらず、崇高な教育をたびたび政争の道具に利用してきたのが戦後日本の現状です。

昨年度、全国教育問題協議会が会員その他約400名の方々を対象に実施した教育問題に関する調査でとくに多かったのは学校教育における道徳教育の充実でした。

今年度から学校で道徳教育の教科化がスタートしたり、教育再生会議も継続して開催されています。

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ところが、教育勅語をめぐって与野党対立の手段とするようなことが起こりました。

10月初め、文部科学大臣に就任した柴山昌彦氏が記者会見で「教育勅語の内容は、普遍性を持っており、現代においても通ずるものはある」と述べたところ、野党の幹部から「認識違いも甚だしい。言語道断だ」(辻元清美立憲民主党国対委員長)、「1948年(昭和23年)に失効した教育勅語を評価するのは憲法違反だ。安倍首相の任命責任であり、直ちに辞任すべきだ」(社民党の又市征治党首)とマスメディアを通して相次ぎ、的外れな批判をしました。

平成29年(2017年)3月31日、安倍内閣は閣議決定を経て教育基本法の基本理念に関する答弁書を出して「憲法や教育基本法などに反しないような形で教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されない」と答えており、柴山昌彦文科大臣の発言は何ら問題ではありません。

柴山昌彦文部科学大臣の意見が正論なのにもかかわらず、野党が意図的に政争の具として真実を歪めて国民にミスリード、煽動することに日本人として憤りを覚えた方はたくさんおられたことでしょう。
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一般社団法人・全国教育問題協議会は、いわゆる保守とか革新、右とか左と二分してとらえられがちですが、特定のイデオロギーを主張している団体ではありません。

日本の教育を通じて美しい国にしようと集う団体です。

このたび、全国教育問題協議会は同会顧問の日本教育史研究の権威である杉原誠四郎・元武蔵野大学教授の監修をたまわり、総力を挙げて「教育に関する勅語Q&A」を発刊しました。

一人でも多くの方々がご一読いただければ光栄です。

お問い合わせ、購読は全国教育問題協議会のオフィスまで。

電話03-3263-6536 FAX03ー3264ー3829

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