狡猾なJKビジネス、法改正急げ


JK制服姿の女子高生らに男性客を接客させる「JK(女子高生)ビジネス」が秋葉原を中心に繁華街で広がり続けています。

そこで、警視庁は、女子高生が客に簡単なマッサージをする「JKリフレ(足裏マッサージなどのリフレクソロジー)」や一緒に散歩する「JKお散歩」などの取り締まりを強化するため、18歳未満に限っていた「JKビジネス」の補導対象に18、19歳の高校生も追加して、管内の警察署に通達しました。

来年1月から運用を始めることになります。

「JKお散歩」や「JK占い」が登場したのは、個室でマッサージをする「JKリフレ」が昨年、一斉摘発されたことがきっかけ。

JKビジネスは未成年者を対象にした性犯罪の温床です。

業者側は、身体の接触や性的サービスをしないとの名目を掲げて法の抜け道を探し、取り締まりの度に形態を変えて捜査を阻み続けています。

JK2「JKビジネス」の摘発によく使われる労働基準法の「年少者の有害業務」は、主に危険な機械や薬品を使う仕事を念頭に、年少の労働者を守るための規定。

「お散歩」などを「有害」とまで言い切れるのか、法律家の中には疑問視するむきもあるわけですが、性風俗で金を稼ごうとする狡猾なグループは、その隙間を塗って徹底して荒稼ぎしようとします。

業者は取り締まりを巧妙に逃れており、性的サービスを求める男性客が絶えません。背景には親の虐待や貧困もあるとして、少女らの悩みを受け止めようとする動きも出ています。

そのため、JKビジネスの横行に歯止めをかける決め手は、まだないのが実情です。

女子高生らが個室で客にマッサージをする「JKリフレ」という店で女子高生をカメラなどで監視した上で働かせたとして、大阪府警少年課は5月13日、児童福祉法違反(有害目的支配)容疑で、大阪市淀川区西中島の「萌えエステ メイドの手」を摘発。これが初の摘発です。

少年育成課によると、昨年3月以降、同課は18歳未満の雇用を取り締まる労働基準法に準拠して、JKビジネスに関わる18歳未満の少女らを補導。昨年12月時点で秋葉原に138店あったJKビジネス店は、今月には42店に減少しました。

しかし、最近は補導対象外の18歳の高校3年生を雇うケースが目立ち、同地区では11月には5人だったのが12月には38人が働いているのが確認されたとのことです。

家庭の不和や虐待に耐えかね、家に居場所がなくなった少女らは、ネット求人の「安全です」との文字に気を許してJKビジネスの店にやってくるのです。「高校に行くなら家に金を入れろ」と親に迫られた少女もいて、貧しい家庭の子どもが被害にあうケースが後を絶ちません。

「お散歩」「占い」などの形態を取るJKビジネスでは、性的サービスに店側は関知しない建前になっています。これが壁になり、児童買春での摘発は難しいのが実情です。

少女にマッサージや添い寝をさせた店では、労働基準法が禁じる「年少者の有害業務」をさせた容疑で経営者が逮捕された例もありますが、刑罰は6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金にとどまっています。多くは罰金を支払い、釈放されているケースばかり。

急務なのは、子供を性の対象として利益を得る活動を処罰する条項を児童福祉法に設けることです。同法では既に、子供の虐待に最高懲役10年を科しています。

性的サービスは子供の心に一生の傷が残る虐待なのに、消費する側は娯楽だと思っている異常事態がそこにあります。

教育改革に大きな使命と責任のある安倍政権。

政府や文科省、法務省は早急な法改正によるJKビジネス撲滅が求められています。

【「JKビジネス」主なサービス内容】
【リフレ】 従業員が制服や下着姿で、マッサージや添い寝をする
【散歩】 従業員が街中を一緒に歩いてデートをする
【喫茶】 店内で飲食物を提供。従業員が指名を受けて話したり、ゲームをしたりする
【見学クラブ】 部屋に制服姿などの従業員を待機させて、マジックミラー越しに客に見せる
【ガールズ居酒屋】 従業員が下着や水着など肌を露出した姿で接客し、酒などを提供する
【ガールズバー】 従業員がカウンター越しに酒などを提供し、接客する
【撮影】 個室や屋外で、従業員の制服姿やコスプレを撮影する
【コミュニケーションルーム】 店舗内で、従業員と会話やゲームをする