全国教育問題協議会第34回教育研究大会


教育再生へ活路見出す議論活発に
「日本を取りもどす教育を求めて ~教育の再生の決め手とは~」

8月18日、一般社団法人・全国教育問題協議会(全教協)は東京・永田町の自由民主会館で第34回教育研究大会「日本を取りもどす教育を求めて ~教育の再生の決め手とは~」を開き、日本の教育の課題や克服について討議し、参加者との質疑応答も活発に行われました。

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基調講演をする衆議院議員(前文科大臣政務官)・義家弘介氏

基調講演は「ヤンキー先生」こと衆議院議員(前文科大臣政務官)の義家弘介氏が「どうする! 日本の教育の再生」をテーマに約1時間、日教組が日本の教育界を蝕んだ問題点や家族のあり方、教育改革の展望について自身の経験を織り交ぜながら熱弁を振るいました。

義家衆議院議員は大分県教職員組合(大分市)が旅行業法に基づく登録をせず、新聞広告で「慰安婦」問題の関連施設を見学する韓国旅行を募集していた問題について「国土交通省から旅行業法に抵触していることを指摘され、文部科学省は大分に派遣していたのに目をつぶっていたのは大変な問題。日教組書記長は大分県教組出身なのに責任回避している」と厳しく批判。

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教育評論家(元参議院議員)の小林正氏。パネルディスカッションのコーディネーターを務めた。

さらに8月5日付の朝日新聞が従軍慰安婦報道の一部誤報を認めたことについて「誤報によって宮沢談話、河野談話ができ、全ての教科書に事実と違うことが掲載されてしまった」と誤報の問題が深刻であることを指摘した上で「日本は経済政策だけでなく、国家の根幹に関わる足下をしっかり見つめ直す必要がある」「子どもたちが幼児期から習得する上で最も時間を要するのは徳育、道徳」と述べました。

第二部のパネルディスカッションでは、全日本教職員連盟委員長(日本教育文化研究所理事長)の岩野伸哉氏 、衆議院議員(自民党文教部会長)の丹羽秀樹氏 、元NHK解説委員(文化学園大学名誉教授)の野原明氏 、衆議院議員(自民党青年局学生部長)の宮川典子氏 が出席し、コーディネーターには教育評論家(元参議院議員)の小林正氏 が登壇。

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第二部のパネルディスカッション

討論で注目されたのは、教師の多忙化の問題です。

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全日本教職員連盟委員長(日本教育文化研究所理事長)の岩野伸哉氏

他国に比べ、日本の場合、教員は仕事の急激な増加、学級崩壊、軽度発達障害を抱える子どもの増加、モンスターペアレントと化す保護者がいて、教師のメンタルヘルスは悪化し、うつ病になる教師が増加するばかりか、指導改定でさらに準備に時間がかかり、教師の精神的負担は増すばかりです。教師の負担軽減について、もっと問題解決への議論を高めるべきだと意見が出ました。

さらには「教員はどんなに多忙でも生徒がどんなに問題児でも、最後に教師に感謝してくれる言葉があれば全てが報われる」(岩野氏)、「高齢者福祉に対する行政予算に比べ、子どもの教育に関する行政予算が日本は低いので、子どもの貧困対策を強化すべきだ」(丹羽氏)、「日本の教育は自分で考える力を育てていく必要がある」(野原氏)、「日教組が強い山梨県では優秀な教師志望者が採用されず、世襲化されて腐敗しているので、教員免除は国家資格にすべきだ」(宮川氏)などの意見が出ました。

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元NHK解説委員(文化学園大学名誉教授)の野原明氏

コーディネーターの小林氏は「体罰問題で現場教師は萎縮し、生徒からサンドバック状態される問題がある。現場教師をどう守り、教育ができる態勢をどう整えるかが今後の問題」と締めくくりました。

参加者との質疑応答では、「日本には祝日として文化の日があるが、教育の日が制定されていない。教育の日を制定してほしい」などの要望意見が出ました。

同大会では最後に、8月5日付の朝日新聞で従軍慰安婦問題に関する大誤報を一部認めたことについて、全教協では緊急提言として「朝日新聞報道をめぐる要望書」を国会議員である丹羽秀樹衆議院議員と宮川典子衆議院議員に手渡し、朝日新聞が国会での説明責任を果たすように要望しました。

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衆議院議員(自民党文教部会長)の丹羽秀樹氏

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衆議院議員(自民党青年局学生部長)の宮川典子氏