岸田首相、文科相らに全国教育問題協議会が要望書提出


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▲2021年11月30日、小渕優子自民党組織運動本部長に要望書を手渡す全国教育問題協議会の役員たち

一般社団法人全国教育問題協議会(全教協)は、岸田首相、末松文部科学相、高市自民党政調会長、山谷参議院議員、有村参議院議員、上野参議員議員、中曽根衆議院議員、小渕衆議院議員らに対して、「教師の日の制定」「憲法改正」、「青少年健全育成基本法制定」「憲法改正」「選択的夫婦別姓反対」、など8項目に渡る令和3年度教育政策に関する要望書を提出した。

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全教協令和3年度教育政策に関する要望書

一般社団法人 全国教育問題協議会

理事長 中尾建三

一般社団法人全国教育問題協議会(全教協)は、昭和52年(1977年)に結成以来45年間、全国の民間人の有志が集い日本の教育の正常化を目指し活動を展開して来ました。その間ご理解、ご協力をたまわりました多くの方にまず以って感謝の意を表します。いま日本はコロナ禍の最中ではありますが、山積する教育問題に対する教育政策について本会として検討した要望内容を集約し、下記の通り要望致しますので何卒よろしくお願い申し上げます。

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1.「教師の日」を国家の教育政策として制定して頂きたい。

元来人づくりなくして国づくりなしと云われる通り、国づくりの根元に教育という機能があります。とりわけ専門職としての教師が一人ひとりの児童・生徒の学びの場を支える学校教育の充実について、国をあげて取り組まなければなりません。

しかし、現在教育問題として学校教育界、教師の職がブラック企業といわれたり、教師の働き方改革が中々解決されず教育希望者数低下が顕著になり、社会問題になっています。

平成29年政府の教育再生実行会議で座長の鎌田薫早大総長(当時)が安倍元首相に対し、教師の日の創設を求めたり、また、東京青年会議所板橋区委員会が教師の日プロジェクトに賛同し、「先生ありがとうの会」が開設されたり、教師という崇高な職業を国民が讃える動きが出てきました。

この機にあたり、父の日、母の日と同様「教師の日」を制定し、国をあげて人づくりの重要な営みを取り組むよう切望致します。なおアジアの諸国、アメリカ、ロシアなど61ヵ国では「教師の日」を制定しており、台湾では孔子の誕生日の9月28日を教師の日とし「良師興国」をスローガンとして国づくりに取り組んでいます。

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2. 青少年健全育成基本法の制定を実現していただきたい。

21世紀の日本の社会を担う青少年を健全に育成することは、国民の願いです。しかし、現実はパソコンや携帯電話の急激な普及により、インターネット上に有害情報が氾濫、青少年が加害者になったり、被害者になるなど、現状は看過出来ない事件が起きています。若夫婦による高校生殺人事件が起きましたが、それ以外に青少年による覚醒剤乱用、性犯罪の背景には、地方自治体が制定する青少年育成条例のみでは解決不可能で国をあげて青少年を犯罪から守る法律、例えばアメリカの「児童ポルノ法」、「ドイツの青少年保護法」、「イギリスの児童青年法」など国政レベルの対応で制定する必要性をしています。平成25年に参議院本会議でも青少年健全育成基本法について審議されたのに拘らず実現出来ない理由は何かをお尋ねしたいと存じます。

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3. 教科書検定並びに採択の正常化に留意して頂きたい。

教科書の検定は憲法第15条の「すべて公務員は国民全体の奉仕者」の規定に基づき国家公務員である文科省の教科調査官が法律を正確な史実に基づいて検定し国民、児童生徒に提供するといった姿勢で実施されなければなりません。

以前、日本の歴史教科書が特定なイデオロギーを児童、生徒に植え付ける道具とされ、事実にない事件を捏造した教科書が検定に合格した時代がありましたが、平成17年から従軍慰安婦の強制連行などの内容は削除されました。

ところが令和2年度の教科書の中に再び復活して文科省の検定に合格するといった驚くべき事実、事件が起こりました。また、同様の内容であっても自由社が発行する教科書が前回は合格したのに不合格となるといった事件が起こったのは誠に遺憾であり、極めて疑問が残りました。また、教科書の採択に際しても教科書会社と教育現場との長年の癒着による採択の固定化を避けるべきであり、教科書問題の正常化に行政の姿勢について注視しています。

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4. 教員免許更新制廃止後の教員研修の充実をはかって頂きたい。

文部科学省では、来年をもって教員免許更新制を廃止する予定です。この制度は、前内閣の時代に教員の資質の向上を目指して、教職を10年間経験した教員全員に10年毎に公的に研修の機会を設定し受講させ、受講しなかった教員はすでに取得した免許状を無効とするとした研修制度ですが、教員をめぐる環境の変化の中で研修制度の見直しの動きが出てきたのが背景にあります。

理由として、教育現場の多忙化、文科省も教員自身もそれぞれ財政負担の問題もあり、加えてデジタル時代にマッチした研修のあり方に転換することになり、廃止の動きが出てきたようです。

しかし、もし教員免許更新制度が廃止されたとしてもコロナ禍後の子供を育てる教師にとっては、研修は義務であり権利ですから、教師としてもまた国家としても授業力のアップのための研修、教師としての使命感を持って子供と向き合う教師像を築くための研修の機会を意図的に設定をしなければなりません。

時代の要請にマッチした研修内容、例えば情報通信技術(ICT)の充実、GIGAスクール実現などに総力をあげて取り組むべきとます。

 教師の自主研修を評価し、研修のための予算の確保についてさらに留意なされることを期待します。

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5. 教員志願者の激減に国をあげて対処して頂きたい。

近年、公立学校の教員採用試験の受験者数が激減しています。文部科学省の平成30年度教員の受験者数の発表によると、小学校教員の倍率は2.8倍、中学校教員は5.7倍、高等学校教員は7倍、その他の教員も含め、受験者数は35,000人の採用者に対する受験者は、150,000人で平均4.2倍の競争率だった。しかし、この数字は全国平均であり、今から20年前の競争率全国平均は、小学校教員の倍率は12.5倍、中学校は18倍に比べると激減しているといえる。特に新潟県は平均1.2倍、佐賀県は1.6倍、北海道1.7倍、福岡県は何と平均1.3倍であった。

教員希望の激減の理由は、ブラック職場といわれるように多忙な職場で待遇も悪いなど若い学生の教育界への魅力が得られないなど色々あるが、とにかく教員の質の低下は必然で近い将来社会問題になること必至である。この機に危機感を察し、国をあげて教育界により多くの人材を集めるため根本的な対策を立てて欲しい。

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6. 私達全教協は、選択的夫婦別姓問題は下記の理由で反対です。与党の中でも賛成の方がおられるようですが、その理由をお聞かせ下さい。

憲法24条で、結婚は両姓の合意に基づいて成立するとあり、結婚後も別姓であっても夫婦の了解で解決する。しかし生まれてくる子供の姓名について、父、又は、母の姓と異なる状況を家庭内に生み出すのが夫婦別姓の家庭ではおこることになり、家族の一体感を阻害し、家庭崩壊の原因になる可能性も高くなる。つまり夫婦別姓は、親子別姓になってしまう。

また教育基本法第10条第1項に家庭教育では子供の教育について第1義的責任を父母は有するとし、子供の心身の調和を親は留意すべしとある。親子別姓の暮らしは、子供の心の安定は望めないのではないか。夫婦別姓賛成者の中に女性としての人権として捉えているが、生まれてくる、また生まれた子供の人権については認めないのは疑問である。

選択的夫婦別姓を推進する政党、国会議員、グループの背景には女子差別条約批准、男女共同参画基本法、学校におけるジェンダーフリー運動の推進などの活動に熱心なフェミニズムという名のイデオロギーを主張する方々との関連が明白である。

憲法第19条の思想・良心の自由に乗っ取り、夫婦別姓賛成の方々の意見をお聞かせ頂きたい。

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7. 現憲法の矛盾点について国会で正して頂きたい。

現憲法は、昭和21年11月3日占領下の日本を統治するため、アメリカ軍総司令部が作った英文の原案を一部翻訳して制定されたので日本国民には意味不明や矛盾した表現が見受けられますので列挙します。

(1) 現憲法前文の矛盾点

政府の重要な役割は、国家の存在と国民の生命、財産を守るのが重要な役割です。しかし憲法前文には「その責任を諸外国の公正と信頼を委ねる」とありますがどうでしょうか。生命、財産をどこの国が守ってくれますか。また現憲法には前文も含め、国を愛する心や自国の誇りを表現する語句がありません。これでよいのでしょうか。

(2) 現憲法にない学校教育に対する国の責任

憲法第26条には「国民が能力に応じて等しく教育を受ける権利が明記されているが、ドイツ憲法7条には国家として教育に責任があるのに比べ、日本の憲法には明記されておりません。教科書検定、採択、学習指導要領等憲法上の根拠を明確にする必要があります。

(3) 憲法に明記されていない家族、家庭の重要性

平成18年に教育基本法を制定し、第10条に家庭、家族の重要性を明記されました。ところが、現憲法には第24条に男女平等を原則とした婚姻の規定があるが家族、家庭については一字もない。家庭が人間の生活、子供の成長にとって大切な場であるのに拘らず憲法によりどころがないのはなぜか。

(4) 基本的人権の曖昧さ

第11条で基本的人権は「与えられる」とあり、第97条には「信託されたとの」とある。果たして基本的人権はどちらなのか。また憲法第21条(表現の自由)と第12条(濫用の禁止)の接点が不明確であったり、第13条(個人の自由)と第12条の(公共の福祉)のバランスが不明瞭である

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8. 子ども庁創設にあたり慎重に審議して頂きたい。

子ども庁は子供への虐待や、いじめ、貧困など複雑化する課題に対し総合的に対処するため内閣府、厚生労働省、文部科学省など複数の府省庁にまたがる政策を一元化する組織として、政府は子供庁創設法案を来年の通常国会に提案されようとしている。

ところが、不思議なことに自民党主催の研修会の講師にジェンダー平等や、性の多様性を強調する性教育(包括的教育)の推進団体のリーダーに講演を依頼したり、子供の人権を拡大、歪曲し、全国的に推進し、当時の教育現場を乱した人を第1回の研修会の講師をしている。また、子ども庁や子ども基本法が子どもの権利や性教育を歪曲し、子供を権利行使の主体としてとらえた学者を招くなど奇異に感ずる。

自民党は子供を真ん中において、尊重すると言っているが国連から勧告された過去の子供の権利条約の批准の背景を認識しているのか、山積みする虐待、いじめ、貧困を国をあげて取り組む機会を利用して、フェミニズムなどのイデオロギーを再び教育界に浸透させてはならないと考える。

美名のもと、徳教育や青少年健全育成の施策などが否定され、子供の権利が歪曲されるような偏向したものは許されません。

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