スマホ依存で成績低下 全国学力テスト


スマホ依存 文部科学省が8月25日に発表した全国学力テストの都道府県別成績(平均正答率)ばかりが関心を持たれていますが、スマートフォン依存と学力テストの成績の因果関係は、スマホの扱い方への改善が急務となっています。

文部科学省が学力テストと併せて行う児童生徒へのアンケート調査結果によると、今回初めてスマホなどの平日の使用時間を尋ね、生活のかなりの時間を割いている実態が浮き彫りになりました。

中学3年生の半数近くが1日1時間以上携帯電話やスマートフォンでメールやネットをし、4時間以上費やす生徒も1割を超えています。

小学6年生の半数以上が携帯やスマホを使用していることも判明。

学力テストの平均正答率と比較すると、小中全教科で、使用時間が増えるほど成績が低下する「スマホ学力低下現象」傾向が見られました。

携帯やスマホの使用時間が30分未満の児童生徒と4時間以上の児童生徒の正答率を比べたところ、全科目平均で約14ポイント、最も大きい中学数学Bでは18・6ポイントも開いていますので、スマホの使用時間調整が子どもに必要不可欠になっている状況です。

スマホなどを「持っていない」と回答したのは小6で46・0%、中3は23・1%。
一方、使用する児童生徒のうち、平日に1日1時間以上使う割合は小6では15・1%でしたが、中3では47・6%。4時間以上はそれぞれ2・7%、10・8%に上っています。

テレビゲームで遊ぶ時間も長時間化しており、1時間以上は小6で前年度比1・7ポイント増の54・4%、中3で同8・4ポイント増の55・9%。スマホ向けゲームの普及が影響したとみられています。

この2年ほどで急速に普及したスマホは、携帯電話よりも機能が格段に増え、便利な一方で、ネット依存を誘発する要素が多く、保護者は注意が必要です。

様々なゲームや動画を楽しめるほか、無料通話アプリのような交流サイトで友人らと簡単にメッセージを交換できます。

スマホに振り回されないためには、時間を管理する能力が不可欠。子どもにスマホを持たせる際、保護者はなぜ必要なのか話し合い、時間をコントロールすると約束させる必要に迫られています。

スマホに長時間没頭すると、勉強時間が減ります。

学力を伸ばすためには、学校がスマホの使い方について方針を打ち出すことが求められますが、一律にルールを押しつけるのではなく、三者面談などの際に家庭と意見を交換し、協力しながら進めていくことが大切ですね。

フィルタリング  内閣府の調査結果によると、スマホや携帯電話の「フィルタリング」の利用率は、全国の小中高校生の平均で2013年度が55・2%と、12年度より8・3ポイント下がりました。法律では、事業者は保護者の申し出がない限りフィルタリングを設定する義務がありますが、スマホの機能を自由に使いたい子どもに頼まれ、保護者が解除する例が増えています。

地域ぐるみでルールを作る試みとしては、兵庫県多可町教育委員会は小中学校の児童生徒に対して午後9時以降のLINEなどの使用禁止を提唱。

仙台市教育委員会は市立中学の生徒全員にスマホなどの使用を「1日1時間以内に抑えよう」と呼びかけています。