三省堂は猛省せよ 「編集会議」に教員53人


三省堂出版大手の三省堂(東京)が昨年8月、「編集会議」名目で小中学校の校長らを集め、検定中の教科書を見せて謝礼を支払っていた問題で、編集会議は平成21年以降に計7回開かれ、26都府県の計53人が参加していたことが明らかになりました。

三省堂は12月7日、経緯をまとめた最終報告書を文部科学省に提出する予定で、同省は今後、参加した教員らによる教科書採択への影響の有無を調べる方針。

三省堂によると、同様の編集会議は平成21年に2回、22年にも4回開かれ、小学校の国語や中学校の国語と英語の教科書が対象でした。関係者によると、三省堂は「会議の開催は21年度検定で小学校国語教科書に初めて参入したことが大きな要因だった」と説明しているとのことです。

26年8月の会議には、11府県の公立小中学校の校長ら11人が参加し、三省堂は編集手当名目で謝礼5万円を渡していたほか、交通費や宿泊代、懇親会代を負担。

11人のうち5人はその後、地元で教科書採択に関わる立場になっていました。

21、22年の会議でも同様に謝礼を支払い、宿泊費も負担。21年度は小学校教科書、22、26年度は中学校教科書の検定がありました。

三省堂(東京都)が出版し、今年度から使われている小学1年生向け国語教科書に下書きを消し忘れたイラストが掲載されるミスがあり、大騒ぎになっています。

また、この一番微妙な時期に大手教科書会社のミスが大々的に報じられると、採用を自粛する地域も出てくることでしょう。三省堂にとっては、手痛すぎる失態です。

この教科書は東京都世田谷区などで計約1万冊が使用されていて、同社は回収・交換を始めました。

ミスがあったのは「しょうがくせいのこくご 一年」上巻の5ページ。教室で友達と過ごす女児の手が3本あるイラストが掲載され、誤りに気づいた小学生からの指摘で世田谷区教育委員会から5月に指摘がありました。

複数のポーズを描いた下書きを残して着色してしまい、校正作業でも気づかなかったとのことで、チェック体制の甘さが浮き彫りになってしまいました。