児童虐待、10万件を突破 相談・通報増 27年度


全国の児童相談所(児相)が平成27年度に対応した児童虐待の件数(速報値)は前年度比16・1%増の10万3260件(前年度比1万4329件増)で、過去最多を更新したことが8月4日、厚生労働省のまとめで分かりました。

いじめ

調査を開始した2年度から25年連続で増加を続けており、初めて10万件を超えた。厚労省は「虐待への社会的意識が高まり、近隣や専用電話などからの相談が増えたほか、警察からの通告が増えた結果だ」と分析しています。

調査では全国208カ所の児相に寄せられた通報や相談のうち、児相が虐待の疑いが強いと判断し、親への指導や施設入所などの対応を行ったケースを集計。

虐待の内容別では、子供の前で配偶者や親族らに暴力をふるう「面前DV」や他の兄弟と差別的扱いをするなどの「心理的虐待」が全体の半数近い4万8693件と最多でした。

次いで「身体的虐待」が2万8611件、育児放棄である「ネグレクト」が2万4438件、「性的虐待」が1518件でした。

増加する児童虐待に、厚労省は27年7月から通報や相談を24時間体制で受け付ける児相の全国共通ダイヤルを、従来の10桁から3桁の「189」に変更。これにより入電件数が増え、26年度の2・9倍に当たる2万9083件となったことも全体の件数を押し上げる結果につながりました。