「生前退位」強いご意向 天皇陛下「お気持ち」全文


天皇陛下は8月8日午後3時、象徴としての在り方や公務についてのお気持ちをビデオメッセージで表明し、「生前退位」実現への強い思いを示されました。

82歳の陛下が体力の衰えを憂慮し「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか」と懸念する一方、公務の削減には「象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろう」と否定的な考えを述べられました。

陛下は、生前に皇太子さまに皇位を譲る「生前退位」の意向を周囲に伝えていますが、今回は「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れること」は控えるとして、退位に直接には言及されませんでした。

天皇家

国民は陛下のお気持ちの行間をくんで理解していく必要があります。

陛下のビデオメッセージは、2011年の東日本大震災直後以来2度目。

お住まいの皇居・御所の応接室で7日午後4時半から収録されました。映像は約11分間。象徴天皇としての歩みを振り返り、この先の自身の在り方や務めについて考えを語られました。陛下の意向で皇后陛下が収録を近くで見守られたとのことです。

陛下は1989年1月、象徴天皇制を定めた日本国憲法下で初めて御即位。

今年で在位28年目を迎えられました。7月13日、皇太子殿下に今後数年以内に天皇の位を譲位したいとの意向を周囲に示されていることが明らかになっていました。